夕暮れの裏庭から

思い出とか、考え事とか、いろいろ。

医の心

胃腸の治療をした。医者の世話になるのは数年ぶりと言っていいのだが、あるものを見て、

「開業医であれ勤務医であれ、一人の人間として対峙する医者は基本的に信頼してよい」

という直観を得た。これは、結構信頼していいほうだと思う。

 

なぜこんなことが浮かんだかといえば、領収証に「今回未収分」という項目があったからだ。もっとも、自分の会計で未収が発生したわけではないし、この項目が実際に記入される場面というのは、限りなくゼロに近いとは思う。しかし、患者から代金を取れないことを想定していることも確かであり、つまり利益追求だけで医療に携わってはいない、という意思表示でもある。

現代において医者になる事自体が難関とはいえ、もし単純に頭が切れるだけであれば自己の利益追求に所与のリソースを最適化するだろう。しかし、それはしないという宣言をした上で患者に接している。

そんなことを考えた年の暮れだった。